グアテマラでの国際大会
2022年11月9日から中米で行われたバドミントングアテマラフューチャーシリーズ。
こちらの大会へエントリーをした前東北マークス、現在沖縄琉球ブルファイツに所属する菊地裕太選手 @kikuchi_yuta2 の現地コーディネータ兼マネージャーとして同行していました。
結果から先に言うと見事優勝。
大会中はとても忙しく本当ならこちらのブログTABIMINTONの更新を楽しみにしていた人もいたとは思うのですが、中々更新できる時間がありませんでした。
選手目線は選手本人の発信から得てもうらうとして、こちらのブログではマネージャーとして国際大会の難しさを述べていきます。
異なる生活環境
まず、グアテマラで海外経験の少ない選手をコーディネートするということはものすごく神経的な疲労が大きくあります。
まずは治安の悪さと食事。
多くの時間、街を歩くようなことはありませんでしたが、基本360度を常に見回しながら、誰かに後を付けられていないか、スリにあわないかなどの神経を張り巡らせます。
僕一人なら慣れているので、あまり気にもしませんんし、現地の悪い人たちもある程度その人の雰囲気を見てコトを仕掛けます。
しかし、アスリートとの同行となるとそうもいかず、ものすごく神経を使いました。
また、こちらで面倒なのは警察の絡み。
給料の低い彼らは外国人を見ると難癖をつけて金を奪いにきます。
こちらで一番怖いのは警察です。
食事に関して
選手である以上、野菜などはとても大切な栄養素となりますが、日本と違って必ずしも生野菜を食べても大丈夫とは言い切れません。
旅行や旅程度できているならお腹を壊しても問題はありませんが、試合に来ている選手が体調を壊すと本末転倒。
しかし、肉ばかりを食べてもらうわけにもいかないので、大丈夫なレストランか、大丈夫な食堂の食べ物かなどもこちらである程度判断して選手に伝えます。
交通関係
以前、バドミントンの桃田選手が海外で車の事故に巻き込まれたように、海外での交通事情は日本とは大きく異なり、道を歩くにしても、経験の少ない人なら横断歩道ですら渡れないこともあります。
こちらも360度を見回しながら選手をエスコートし、道を歩きますしウーバーやタクシーだからといって、日本のような安全運転はしてくれません。
実は中進国や後進国で一番怖いのは交通事情。
日本のように安全運転をしてくれないのが海外の交通事情。
あとは野犬ですね。まあ、夜に出歩かなければ野犬も襲っては来ませんが。
通訳の難しさ
さて、通訳はいく国々によって変わるので色々ありますが、今回は中米のグアテマラの公用語はスペイン語です。
僕自身、そもそもがTABIMINTONという旅人であり、全てパーフェクトなコミュニケーションが取れるわけではありません。
他国の選手とは英語で話し、現地の人や運営とではスペイン語で話したりと、色々とミックスされた中で、時には英語とスペイン語がミックスされた会話をすることも多々あります。
また、コーチミーティングにも出席したため、聞き漏れがないようにしないといけないですし、わからないことは必ず確認しなければ選手の試合に影響します。
コミュニケーションのバランス
こちらに関しては難しさというよりもバランスの感覚。
やはり同じバドミントンで繋がると選手同士はシャトルを通して、共通するものがあります。
時には僕が入って、選手同士のコミュニケーションを手助けすることもありますが、拙い英語で会話が詰まってもヘルプをしないこともあります。
やはり、間に通訳が毎回入ってしまうと話は理解できても心の繋がりの部分では、どこか離れたものになってしまいます。
菊地選手が他の選手とそうならないように、こちらも見守りますし、僕個人としては英語が拙くても絶対的に本人同士が会話をした方がいいと思います。
バドミントン選手なら、互いにシャトルを打てば上手でない英語でも自分の意図は伝わるものです。
プレー環境の難しさ
まず、今回行われたグアテマラの標高は1500mと、日本からするととても高い場所です。
空気抵抗が少ない分、シャトルの飛びは想像をはるかに超える飛び方をしますし、酸素が薄い分試合での心肺機能への負担も大きくあります。
僕自身もネパールやメキシコの標高の高い場所でのバドミントンや他のスポーツを経験していたので、それらのアドバイスも事前に行っていました。
ちなみに、今まで一番標高の高い場所を訪れたのはボリビアの4200mの町で、少しの坂を歩くだけで息が上がります。
違うシャトルと床の硬さ
シャトルに関してはエアロータス30という日本では非売品のシャトル。
そもそも標高が高いのでどのシャトルであってもコントロールには苦しむのですが、普段使用しないシャトルで尚且つとても飛ぶ標高というわけです。
そして、コートマットの下はコンクリートのため、身体への負担もとても大きいものがあります。
今大会は天井も低かったため、速いラリーでの展開が多く、様々なコントロールに苦しんでいたのは、後ろから見ていた僕でも容易にわかったことでもあります。
ラテンの観客
中米のことをよくラテンと言います。ラテンアメリカという単語を耳にしたこともある人もいるでしょう。
ラテンの観客からすると、日本人の僕たちはとても珍しい参加でありますし、特にここ最近の日本のバドミントン選手の活躍により好奇の目で見られます。
僕は慣れていたとしても、選手は初めてのことでそれなりのプレッシャーや環境の変化に少し固さもありました。
そんな中でラテンの観客が菊地選手の応援をしてもらえるように、時には「YUTAの応援をしてね」と子供や観客に耳打ちをし、時には審判団に愛想よく挨拶を振りまき、印象の良い環境でプレーができるよう下作りをしていました。
僕が選手のプレーに関してバックアップはできませんが、アウェーで競った時にやはり背中を押してくれるのは観客の声援です。
全ては優勝で報われる
やはりマネージャーやコーチとして報われる瞬間は優勝する瞬間。
特に今回はグアテマラという日本人が2人だけの中での戦いは、カテゴリーの違いはあれど必ずしも簡単な大会ではなかったと思います。
僕自身TABIMINTONというスタイルで海外を旅しながらバドミントンのコーチをするというスタイルをしていましたが、日本人選手のマネージャーとしては初めてのこと。
肉体的、精神的な疲労もありながらも、同じ気持ちで戦った選手が優勝してくれることは、様々な疲れを忘れさせてくれます。
他国で国歌を聞く感動
菊地選手にとってはもちろん、僕にとっても初めての経験が他国で日本の国歌を聞くということ。
このことがこんなにも感動するとは思ってもいませんでした。
僕にとってはこのような経験を一緒に味わらさせてもらえたことは、何にも変えられないものですし、日本人としてのアイデンティティーや誇りを感じた瞬間でもありました。
本気で彼をサポートしてよかったと思えた瞬間です。
まとめ
今回の大会を通したことで、僕自身得た経験は何物にも変えることができず、もっと言えばこんなオファーをもらえたことに感謝しています。
僕が一人で経験するTABIMINTONと、選手のマネージャーとして経験するTABIMINTONとでは全く別物です。
これらのことの大変さは必ずしもブログのテキストだけで伝えられるものではありませんし、動画だけで伝えられるものでもないでしょう。
まだまだ書きたいことやブログTABIMITONでしか伝えれることのできないものは沢山ありますので、今後色々、更新していきます。
応援ありがとうございました。
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