高校魅力化コーディネーターってどんな仕事?地域留学って何?

高校魅力化

地域みらい留学という新たな選択

内閣府が国の委託事業として、島根に事務局を置くプラットホームと連携し行われている〝地域みらい留学〟という、地方への国内留学制度。

地域みらい留学 | 地域みらい留学
やりたいことと自分らしさが見つかる 、地方への高校進学という選択肢。住む場所を変えれば、出会う人も変わる。学ぶ場所を変えれば、新しい世界が見える。

簡単に説明すると2つの選択肢が選べます。

  • 県を越境して他県への高校へ入学する3年留学
  • 2年生の1年間を他県の高校へ留学する1年間留学

これらの生徒を募集やサポート、コーディネートをするのに、今はまだ国内でも数少ない仕事の一つとなっています。

これらの職に就く多くのコーディネーターは、大きな都市ではなく地方に在籍しているのが現状です。

なぜ必要なのか

多くの地方都市で深刻な問題になっているのが、少子化をはじめとする問題で高校の存続が厳しくなっているということ。

これは地方都市にとっては死活問題となっており、高校がなくなると町の活性化は一気に影を落とすようになります。

そのために、都会に集中している生徒を地方へ送ることによって、関係人口を増やすことが目的となっています。

また、留学する生徒にとっても自分の知らない土地で生活をすることによって、地方との関わりや、今までになかった視点を養える良い場を与える機会にもなります。

コーディネーターの仕事内容は?

では、国内留学生を受け入れる立場のコーディネーターとはどんな仕事をしているのか。

それぞれのコーディネーターによって、仕事内容は多少違う部分はありますが、今後コーディネーターをやっていきたい人などの為に主な業務を公開します。

留学希望者募集

まず、メイン業務になるのは全国からの留学希望者の募集です。

コーディネーター業の8割がこの仕事に集中していると言っても過言ではないかもしれません。

生徒の募集に関しては2020年よりコロナの影響もあり、オンラインで行なっています。

地域みらい留学のオンラインフェスタ。実際の学校はどんな感じ?
こんにちわ!幌加内高校のセカンドチャンネルへようこそ! こちらの記事では実際に幌加内高校がどんな感じで、学校の中からオンラインフェスタを開催しているのか公開しますね。

コロナが終息、もしくはこのまま共存するようになりオフラインで行うようなことがあれば、首都圏や大阪などの大都市で実際にブースを開いて広く募集をするかもしれません。

オンラインでの募集は地域みらい留学の事務局のサポートもあるので、初めての人も大きな不安を抱える必要はないと思います。

高校を魅力化する

公立高校の多くは、生徒を募集するための工夫をしていません。

過疎の高校は行なっているところもあるでしょうが、必ずしも成功しているわけではありません。

高校や地域、またコーディネーターによって魅力化のやり方は様々ですが、魅力を見つけ出し効果的な発信が必要となります。

高校のカリキュラムを変える、外部に発信しきれていなかった特徴を発信する、教員の特色を見出す、地域との連携を強化する。

魅力化に正解はなく、それぞれのやり方とそれぞれの視点で行なっていきます。

保護者とのやりとり

実際に留学を希望するようになると、本人はもちろん保護者との実際なやりとりが多く発生します。

日によってはメール対応だけで1日の大半業務が終わる日もあるかもしれません。

保護者側からすると地域みらい留学は、聞き慣れない留学システムですし、大きな不安や心配事があります。

それらを解消し、実際の留学までスムーズにエスコートをするのもコーディネーターの仕事になります。

人気校になればなるほど、やりとりをする保護者の数は多くなることでしょう。

留学生のサポート

実際に留学生が来ると、留学生のサポートを行います。

学校に来るようになると、教員のサポートもあるので、全てがコーディネーターの仕事になるわけではありませんが、初めての土地と学校で生活をする留学生のバックアップは必要になります。

サポートは多岐に渡りますが、おおよそ留学生が不都合のない生活を送らせてあげれるようなことが中心となります。

町や自治体との連携業務

ここら辺もその町や高校によってバラツキはありますが、町や役場と連携をしながら学校や留学生を繋げる役割が必要となってきます。

コーディネーター自身の地元で顔が効くのであれば、大きな心配はいりませんが、新たな土地でコーディネーターを行うのであれば相応のコミュニケーションスキルが求められるでしょう。

また、地域留学生を町に認知させることも、留学生が過ごしやすい環境を整えることの一つですので、大切な業務になってきます。

コーディネーター個人のスキルは?

コーディネーターによって、得意不得意は様々です。

また、必ずしも教育関係に携わっていたことが必須ではありませんし、学校や地域によっては求められる人材スキルもバラバラだと思います。

その中でどんな特徴を生かして魅力化を作り上げているのかいくつか例を挙げてみましょう。

岩手葛巻高校

岩手県にある葛巻高校のコーディネーターは、自身でも公営塾の教師として全国各地で、多くの子供に勉強のサポートをしていました。

現在は葛巻高校のコーディネーターとして、生徒の募集を行いつつ、留学生と地域を繋げる活動を行なっています。

自身でも公営塾で教えていた経験もあるので、留学生としてもフランクに聞けることが多々あるのではないでしょうか。

また、教員としてもそのようなサポートがあると負担も減り、生徒のレベルアップに繋がるので、学校、生徒ともにメリットは大きいと思います。

《地方における新たな価値の創造》       一般社団法人まなクラあそクラ
一般社団法人まなクラあそクラ      代表理事 山谷 淳也さんのブログです。最近の記事は「旧ブログ → 新ブログに変更します(画像あり)」です。

島根津和野高校

島根の津和野高校では女性の方がコーディネーターとして活躍しています。

年齢が生徒に近く女性であることは、留学する生徒にとっても付き合いやすく、心配面などのケアは心強いのではないでしょうか。

また、彼女自身も新しい仕事を立ち上げて、地域にも貢献を行なっています。

高校の魅力化だけではなく、町自体の魅力化にも携わっています。

北海道大空高校

高知県の高校でコーディネーターとして、今年度より北海道大空高校の校長に就任した方です。

今でこそコーディネーターという肩書きは外れ、校長として仕事をしていますが、変わらず高校の魅力化を進めていますし、発信力のある方です。

スタディサプリなどの開発にも関わり、ITを活用した教育に長けているため、過疎の町でも最新に近い教育を受けることができるのではないでしょうか。

また、校長ということもあり、教員への周知なども含め学校全体で意思が図られていると思います。

これらはほんの一例

全国を見渡すと高校魅力化コーディネーターの数は多いわけではありませんが、様々な特徴やスキルを持ったコーディネーターが多くいます。

また若い世代や、高校生はもちろん大学生なども今後このような仕事が広まってくるということを認知しておきましょう。

教員とは違った形で、学校に関わるということはある意味、自分のやりたいことができる環境かもしれません。

コーディネーターになるには

多くの募集は各自治体での募集がメインだと思います。

まずは自分の住んでいる町、もしくは住みたい町で検索し「高校魅力化コーディネーター 募集」などと、検索をかけてみましょう。

全国で探すといくつかは出てくると思いますが、コーディネーターをやりたくても、どこでもいいというわけではないでしょう。

自らが望む町で、望む高校で行えることが望ましいと思います。

待遇は?

給与面などの待遇に関しては各自治体でバラツキがあります。

また自治体によっては「地域おこし協力隊」としてコーディネーターをやっているところもあります。

違う仕事と掛け持ちで行なっている人も少なくはないですし、ブラック的な話を聞くことはありません。

最近メジャーになっているパラレルキャリアには向いている仕事の一つかもしれません。

それよりも、各々のスキルを活かして活用してくれるところが実際には多い印象です。

どんなスキルが望ましい?

先ほども書いたように、コーディネーターのスキルやバックグラウンドは皆バラバラです。

なのでどれが正解かというものはありませんが、これらのスキルがあるとより望ましいと思うものをいくつか挙げてみましょう。

マーケティング・ブランディング能力

学校既存の魅力を引き出すのにそれらをブランディング化できるスキルがあるとより学校の魅力は引き出すことができるでしょう。

また、マーケティングのスキルがあると留学希望をする生徒に届けることがより簡単になります。

コミュニケーション能力

多くのコーディネーターは学校の管理職(教頭、校長)と一緒に仕事をします。

それらのような人と円滑に仕事ができるコミュニケーション能力は高いに越したことはないでしょう。

発信力

多くの地方の高校が欲しいと思っている発信力。

インフルエンサーとまでいかなくとも、多くの中高生に届けることができる発信力があると、生徒募集以外の部分でも重宝されます。

まとめ

高校魅力化コーディネータは今後増える仕事の一つでもあります。

公立の学校は生徒募集に関して、今まで特別なことをやっていませんでした。

それらの問題もあり、地方の高校では生徒を募集するのに打つ手がないのが現状です。

そのために、学校の魅力を引き出し、発信することがどこの高校でも求められてくることでしょう。

今後AIや人材不足などにより、色々な仕事が減る一方、新しい仕事の一つとして注目される仕事の一つです。

自分では気がついていない、自分のスキルがどこかの高校や自治体で必要とされることがきっとあることでしょう。

ジャンルにこだわることなく、あなたの持っているスキルを高校の魅力化に貢献してみてはいかがでしょうか。

 

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