世界と戦えなかったバドミントンとサッカー
「もう海外遠征はいいかな。どうせ行っても観戦してるだけだし」
今から約20年ほど前。海外遠征から帰ってきたあるバドミントン実業団男子選手の一言。
当時、日本のバドミントンは海外大会に行っても1回戦を勝つことすら難しい時代がありました。特に男子選手は。
僕自身もそれは知っていたし、バドミントン選手として海外やオリンピックを目指すという明確な目標は持てませんでした。
おそらく冒頭のある実業団選手の一言が頭の中に刷り込まれたから。それを言い訳にするつもりもありませんがね。
しかし、女子はそんなことはなかった記憶があります。
自身の監督も「世界で勝つとするなら女子ダブルスが可能性があるんじゃないか」と言っていたのを覚えています。
事実、オリンピックで最初に金メダルを獲得したのは女子ダブルスでしたね。
時を同じくしてサッカーは
日本がワールドカップに初出場したのが今からやく20年前。1998年のフランスワールドカップでした。
それまで日本のサッカーが国際舞台に出ることはなくこれが初めての大きな国際舞台。
結果は予選リーグで3敗という結果でしたが、初めてのワールドカップに日本は盛り上がっていました。
しかし、海外チームとの差は小さなものではなく到底埋めることが難しいほどのレベルの差はありました。
しかしこのワールドカップを機に中田英寿氏のような選手がヨーロッパでプレーし、尚且つトッププレーヤーとしても活躍するようになりました。
盛り上がる男子サッカー地道なバドミントン
その後は言うまでもなくサッカーは大変な盛り上がりを見せ現在に至っています。
多くの日本のトッププレーヤーはヨーロッパでプレーし、世界のスター選手は日本でプレーすることも多くなりました。
しかし残念ながら日本の男子サッカーがワールドカップでベスト16より上に行くことは未だに厚い壁となっています。
日本サッカーの年間収益は200億円を超えておりスポンサー企業もKIRINやアディダスなど世界的企業がバックアップしています。
バドミントン日本代表もここ数年ではスポンサー企業が全日空やダイハツ工業などがバックアップスポンサーとして目立つようになりました。
お金が全てではないですがサッカーに比べるとバドミントンの予算も収益もそこまでのものはないと思います。
アマチュア女子が優勝するという皮肉
サッカーワールドカップで先に優勝をしたのは女子サッカー日本代表。
彼女たちはほぼ全員がアマチュアとしてプレーする選手たちでした。
しかし男子より先にワールドカップで優勝したのは女子サッカー。
年間予算も選手の注目度も男子サッカーよりは低い彼女たちが世界の頂点に立ったのです。
戦略的盛り上がりを見せたバドミントン
バドミントンは日本バドミントン協会が「オグシオ」というペアを売り出すことによってメディアへの露出が増え国内での盛り上がりに成功しました。
その競技自体の底上げを考えるならやはり国内規模での盛り上がりは必要なファクターです。
国内で注目されていない競技が世界的に活躍するということはなかなか稀なことではないでしょうか。
彼女たちの功績もあってその後の日本代表選手は男女ともに世界的にトップレベルの競技になりました。
男女ともにシングルスの世界ランキング1位になり、女子ダブルスは国内で勝ち上がる方が大変に。
男子ダブルスも順調に世界のトップを狙える射程に入り、ミックスダブルスも国際大会での優勝を果たしています。
20年でサッカーとバドミントンに差がついたのか?
結果的な答えだけで見てみると答えはYES
しかし競技背景を考えなければいけない。
サッカーとはヨーロッパを中心に世界各国で注目されているスポーツの一つ。
中南米やアフリカ、もちろんアジアのどの国も力を入れている。
時にはサポーター同士が現代社会でも、殺し合うことだってあるのがサッカーというスポーツであるのです。
一方のバドミントン。
盛んなのはアジアとヨーロッパの一部。
アフリカや北米、南米でアジアのように盛んに行われているスポーツかと言えばそんなことはないのが現状です。
バドミントンという競技があることすら知らないという事実もあるのです。
言ってしまえば競技性の競争率の違いがあるのは事実です。
真の強豪国とは?
本当の意味での強豪国とはやはり監督やコーチ陣が世界に排出されることではないでしょうか。
例えば今のバドミントンの日本代表の監督は韓国人監督。
コーチ陣だって中国からの帰化やインドネシア人などです。
ではサッカーを見てみましょう。
ヨーロッパで監督をする国籍を見ると欧州各国や南米の監督が指揮をとっています。
代表の監督も今までの日本代表の監督は外国人監督ばかりでした。
しかし、日本の監督やコーチ陣が指揮をとっていることろは現在のところバドミントンもサッカー目立った人材がいないのが事実です。
数年後、現在のサッカー選手やバドミントン選手が海外で指揮をとるようになった時に日本は真の強豪国として確立されるのではないでしょうか。
まとめ
どんなスポーツも常に世界の頂点に立つことや強豪国であり続けるのは簡単なことではありません。
バドミントンも何年も前から東京オリンピックに向けた強化プランが実をつけてきているだけのことで、いつかまた勝てない時代が訪れることだってあるのです。
日本が勝てない時代が来る時には、現在の日本のトップ選手が海外で指揮をとっている時であってほしいと思います。
もちろんサッカーも。
中南米のサッカー観戦が大好きで、日本でバドミントンコーチをやっているhassyでした。