予定なんて適当でいい
バドミントンのネパール代表選手を選ぶネパール国内で最も大事な大会の一つ。
その名もスーパーシリーズ!!
と、名前だけはそれとなく他国でもあるような命名をつけてはいるけど、9時から大会だってのに一向に始まる気配なし。
それはまだいいとして、当初の予定では5日間かけて行うと言っていたのに「やっぱりお金ないから3日で」と協会が言い出して選手と大揉めしたのが先日の出来事。
んでもって、いざスーパーシリーズを行うと1日半で終わらせてしまうというアバウトさ。
当初の5日間ってどっから考えて予定した選考会なんだよww
ちゃんとやりなはれ、ほんとにさー。笑
食いつき半端ない
この代表セレクションの為に用意したスピーカー付きマイク!
マイクとスピーカーが一体となったとても画期的なこのアイテム。
なんとスマホからBluetoothで音楽を飛ばしてカラオケもできるという優れもの。
これを使ってコールして選手の試合進行をコントロールしていきます。
しかしまあこのゴールデンマイクへの選手の興味が半端ない。
もうみんな大会そっちのけでマイクを使いたがる使いたがる。
まあなんてったってスピーカー付きマイクだからね!
しかも金色ときたもんだ。興味を持たないわけにはいかない。
どうせなら1位になった選手にプレゼントしちゃえばいいのに。
とんでもない情報をぶっこんできた
さて代表選手のセレクションが始まって試合を見ていたら隣に座っていた協会の役員が言わなくてもいい情報を僕にぶっこんでくるわけです。
「今審判やってる人ね、人殺してバラバラにしちゃったの(笑)でもいいやつね(笑)」
うおーーーい!!!!
ちょ、ちょっと待てー!!!
ツッコミどころありすぎるって、そのいらない情報は!!!
疑問1 殺しちゃったの(笑)って
そこは「殺しちゃったの(笑)」って(笑)で言うこと?!
いや、それを聞いた俺は笑えばいいの?!それとも驚けばいいの?!
どの反応が正解だったの?!
疑問2 選手はどう思って試合してるのか
おそらく選手は全員知っている事実。まあ僕に対して殺しちゃった(笑)で言ってくるくらいだから知っているに決まってる。
正直もし自分がそんな情報知った中で大事なセレクションの試合をするとなると、気になって仕方ない。
逆にみんなメンタル強すぎw
疑問3 バラバラってw
100歩譲って何かのアクシデントで殺してしまったならまだこちらとしても「あ、そ、そうなのか」となることができる。
例えば車の事故とか、不注意で何かの事故とか。
でもバラバラってww
そこまでしなきゃいけない理由ってなんだよ!!
すごいよー。すごいよ、ネパール。
そしてそんな彼を仲間としてちゃんと受け入れてる寛容さもすごいよー。
※この中にはいません
国の価値観の違いや彼らには彼らの事情もあると思うので良い悪いは個人的にはなんとも言えないけど、
それでも受け入れて社会でこのように活動を共にするのはやっぱり寛容としか言いようがないです。
仲間意識が本当に強い国民性なので、僕らにはない価値観が彼らにはありますからね。
でも別に俺に言わなくてもいいことだからねww
そのあとこの人と会話しても全く会話が頭に入ってこないよ。
環境のせいにはしたくないけど・・
スポーツ選手ならどんな環境でも条件が同じならやっぱり環境を言い訳にしたりするのは当然よくないこと。
でも流石にこの環境で大きな大会をやるのにはかなり無理がある。
バドミントンにはかなり不向きの天井スケルトンタイプ!
これはバドミントンを行うにはほぼサバイバルマッチみたいなもので、大半のラリーが消えるシャトルになるわけです。
因みにここの体育館では来年に南アジアカップで大きな大会が開催される模様。
南アジアカップ
日本人にはあまり馴染みのない南アジアカップという大会。
インド、バングラディッシュ、ネパール、スリランカ etcと南アジアと言われる諸国が参加する大会。
もちろんバドミントンだけでなく他の様々な競技が行われるというのに、大会1年前にしてサッカー競技場はこの状況。
「あのー、これって大会までに間に合わなかったらどうするんですか?」と聞くと、
「日程を伸ばしてもらう」とあっさり。
いやどんだけ無理な注文してんだよww
因みに、僕が今の所この競技場の工事を見ている限り、常時4人ほどでしか工事してませんからね。
のんびりにもほどありすぎww
まあ僕になんらかの影響があるわけではないからいいけどさ。苦笑
セレクション終了
さてそんな度肝を抜かれた情報をもらった代表選手のセレクション大会も当初5日間の予定を1日半で終わらせて新たな代表選手が選考されました。
まあほとんど変わることなく、1人の入れ替えがあった程度なんですが。
「このセレクションって意味あるのかな?」と思いながら試合を眺めていました。
だって「代表セレクションの大事な大会だ」というのに、途中でバドミントン協会のおじさんたちバドミントンやったりするから。
そしてセレクションが終わると唯一ネパールのバドミントンを変えたいと思っている代表選手の一人が僕のところへきて「どうだった?」と聞いてきます。
悔しがる選手が一人もいない
勝ったらOK。負けてもノープロブレム。ある意味競争しない社会を目指すならそれでもOKなんです。
でも残念ながらスポーツでは勝ち負けが結果として付きまとうもの。特に代表選手となれば。
「負けて悔しがる奴が一人もいない。君たちは国際大会に行っても負けて悔しがることもなく食事に行って観光して帰国する。そういうチームだろ?」そう言うと、
「その通りだ。監督も選手も誰もディスカッションしない。君の言うとおり、レストランに行って観光して帰国するだけなんだ」
そう答えます。
そんな彼を見て、なんとか彼の「俺たちは国際大会で勝ちたい」という気持ちに答えてあげたいのですが、いかんせん彼一人のマンパワー状態。
バドミントン協会にもネパールのコーチ陣にも耳の痛いことを言う彼はネパールの中では少しうるさい奴と見なされている感じ。
「俺たち弱小は弱小でいいんだよ」という中でもこういう人間ってどこにでもいるものです。
せめてなんとか彼を中心にネパールのバドミントンが回ってくれれば変わるとは思うのですが、協会の役員と話をすると、
「あいつは口ばかり出すからダメなんだ」と、変化を拒む保守派層の固まり。
僕個人としては彼に期待して、時間がかかっても彼が全体の体質やモチベーションを変えていって欲しいと思ってるのですがね。
僕ができることも期間も限られているので。
若くていい選手も2人ほどいるので、できることなら日本で練習して新たな道筋を作ってもらうのも面白いですし、日本バドミントン界にはそんな役割を担うのもありなんじゃないかなと。
後進国の選手が日本でリーガーとなって活躍すれば、国民全体に夢や希望を与えることもできることですし。
新しい公式大会もできましたし、新たなチャレンジとして動いてくれたらな。
と、呟くだけ呟きます。
おまけ
家に帰る途中で見たこの光景。
電線を直しているのでしょうが、ほぼあみだくじ状態。
一体何時間かけてこの電線の中から修理しなければいけない電線を探しているのやら。
何から何までネパールはネパール。
そんな感じだね。