ジャパンオープンに出場できない(しない)理由
バドミントンではYONEXジャパンオープンといって世界各国からこぞって強い選手が参加する大きな大会があります。
以前はネパールも参加していたのですが、ここ数年は全く参加している形跡がなし。
バドミントン協会の人と話をしているときにちょっと気になって聞いてみたのです。
「どうしてジャパンオープンに参加しないんですか?」
答えは想像に全くない返答でした。
亡命しちゃうから
数年前にも韓国で開催されていた韓国オープン。
ネパール選手団も韓国オープンに参加していたのですがある人が亡命してそれ以来参加は禁止となりました。
亡命したのは、ネパールバドミントンチームのコーチ。
同じ理由でジャパンオープンにもネパールの選手は参加することができないのです。
金銭的な理由もあるそうですが、一番大きな理由は亡命阻止ということです。
ちなみにこの中にも一度亡命を図って失敗した選手が1人。笑
度肝を抜かれた
あまりにも想像していない答えに度肝を抜かれました。
海外の大会に参加してそのまま亡命するという選択肢はおそらく大半の日本人の概念にはない思想でしょう。
ですが、ネパールを含む後進国では選手よりもコーチ陣がそのようなことを起こすのです。
もちろん選手たちにもあり得ることで、海外遠征に行く際も「亡命しない選手を選考しなきゃいけないんだよねw」と笑って答えます。
特に後進国の人たちから見て憧れの先進国に遠征に行く際は(アメリカ オーストラリア等)最新の注意が必要だとか。(それでも亡命するらしいけど)
試合よりも亡命
この感覚は我々にはない感覚ですね。
バドミントンに限らず人によっては試合のことなんてどうでもよくてそれよりもいかに他人の目をかいくぐって亡命するかしか考えていない人も多いのです。
また若い選手だと親から「次の遠征で亡命してこい」と言われて亡命する選手もいるのだとか。
ある程度海外遠征に行ってネパール国からの信用を稼いでから隙をみて亡命という道に走るのでしょう。
国を捨ててまでも他国でという価値観
先進国と後進国との価値観の違いは数多くあるのでこれもそのうちの一つなのかもしれませんが、スポーツでナショナルチームに所属していても、
国の仕事を捨てて他国で働いて送金した方が実際には稼ぎが良いのが実情といえば実情。
もぐりで外国で働いてまでも稼いでいきたいのです。
また日本やアメリカ、その他の先進国にこのような後進国の国民が渡航するにはビザが簡単に手に入らないのが現状。
多くの日本人にはわからないことですが、実は日本人は世界でも最強と言われるよなパスポートを所持していますし、多くの国へノービザで入国できるのです。
正直我々は生まれながらにして宝くじのあたりを所持しているようなものなのです。
僕にはネパールのレベル上げは無理だと思った
ネパール協会の人にこの話を聞いた時に「僕にはネパールのバドミントンのレベル上げは無理だ」と正直頭をよぎりましたね。
だって、海外の主流の大会に参加すらできないのですから。
そもそも選手に海外で活躍するイメージすら描かせてあげるのが困難という感じ。
どれだけ「ナショナルチームとしてのプライドを持って」と伝えても「いや、海外行ったらコーチ亡命しちゃうからね」と思っていたらプライドもくそもあったもんじゃない。
そんな事実も知らずに色々考え方の変化を促そうとしていたことに絶望すら感じました。
諦めるのは簡単
いや確かに。諦めるのは簡単とは思いつつも、それでも大きな大会に参加すらできないのならどんなにレベルを上げようとしても正直先が見えない。目標を見せてあげれないという事実。
先にその事実を知っていれば選手に対するアプローチももう少し違ったものにしていたのに。そんなことも考えました。
自分にない概念や常識を感じるのは面白い反面、驚きも絶望も感じます。
常識ってなんなんでしょうね。ナショナルチームってなんなんでしょうね。
バドミントンネパール選手権2日目
今日の試合は男子シングルス、女子シングルス準々決勝と女子ダブルス。
そして僕も聞いてはいたもののすっかり忘れていたのが、ネパール選手権はシニアも一緒に大会に参加するのです。
ですので45歳以上男子ダブルスとかそんなカテゴリーも一緒にやっちゃう感じ。
ちょっと日本の選手権とはわけが違いますね。
あんまり面白くはないですが、女子シングルス準々決勝の様子。
3コートで試合をしているうちの5人の選手がナショナルチームで指導をしている選手たちです。
まあ女子はエントリーも多くはないですしね。
今後は男子のシングルス準決勝あたりからまあ多少は見れるレベルかなという感じになると思います。
ダブルスは男女ともにスキルが高くはないです。
明日以降からちょっと多めに動画アップできれば良いかなと。
あんまり面白い試合はないですがね。。