S/Jリーグ「ドラフト制度」は無理なのか?
日本人なら大抵の人が知っているプロ野球のドラフト制度。でも日本のスポーツ界でドラフト制度を行なっているのはプロ野球だけですよね。
まあバドミントンの場合プロではなくアマチュアという位置づけもありますが、バドミントンもドラフト制度を行うのはダメなのでしょうか?
バドミントン選手はどのようにしてリーガーになるの?
高校生の場合
さて多くのバドミントン少年少女が憧れるS/Jリーガー。
どのようにしてリーガー選手になるのか?
高校生の場合インターハイが終わったあたり、もしくはインターハイ前に実業団チームの監督等から高校の監督に話がきます。
場合によっては高校の先輩等が実業団に所属しているとその先輩から「うちに来ないか?」と話をされることもあるでしょう。
大体高校1、2年生でインターハイベスト8〜16くらいに入れば実業団の選手や監督は目をつけているでしょうか。
実業団の人たちも忙しいので毎回の高校生の試合を見に行くことができないので、国体や全日本総合選手権で初めて当人のプレーを見て声をかけるということもあるでしょう。
実際僕の場合を例にとってみるとインターハイ前後で2〜3社からの入部の誘いと、全日本総合選手権で1社からの誘いがありました。
でも全日本総合は11月にあるので大抵の人は進路は決まっていますからそこで声をかけられてその企業に行くことはあまりないと思います。
同じように大学も様々な大学から誘いの声がかかります。
関東や関西の強豪校の高校生あたりは、実業団に練習に行くこともあると思うのでその時点である程度実業団の監督と入部についての誘いの話はしている人も多いかと思います。
大学生の場合
大学生の場合も基本的には高校生と同じではありますが、声がかかる時期が多少変わってくるでしょう。
早い人だと大学2年生、遅くても大学4年生の初めには進路は決まるのではないでしょうか。
大学生の方が高校生よりも年齢も上ですし、人によっては同級生がすでに実業団に所属しているため話がスムーズにいったり、実業団の選手たちと飲みに行ったりもしています。(今はわかりませんが)
強いチームに強い選手が集まる傾向
まあどんなスポーツもそうなのかもしれないので一概にこれがいいのか悪いのかという話は置いといて、今も昔もバドミントンチームの場合、強いチームに強い選手が集まる傾向があります。
そうなった場合強い選手同士で日々練習できるというメリットは確かにありますが、S/Jリーグというエンタメ性の側面を考えた場合チーム同士の競争率は低くなります。
現在のS/Jリーグがどのような目的を掲げて運営しているのか僕自身知っているわけではないのでなんとも言えませんが、観客を入れてやっている以上エンタメ性(興行)という側面を持ち合わせていることは確かだと思います。
ただバドミントンに限らずどんなスポーツも残念ながら「消化試合」というものが発生します。
このようなことをなくすためにバドミントンにもドラフト制度の導入は面白いアイディアだと思います。
その方がチームとしては平均的に選手が所属するため力の偏りがなくなるからです。
バドミントンでドラフト制度を行った場合の障害は?
ドラフトは一つのエンターテイメント?!
言うは易し、行うは難し(言うのは簡単だけど、実際にやるのは難しいという意味)ではありますが実際にドラフトを行った場合の難しさはなんでしょうか?
まずバドミントンの場合、プロ野球と違って高校球児のように全国から注目されるということがありません。
例えば今回日本ハムが交渉権を獲得した清宮君。(さすが日ハム!)
彼の場合高校野球を知らない人でもテレビで目にしたり話題を聞いたことがあるという人は多いでしょう。
ですので今年のドラフトも国民の多くが興味を持ちましたし、話題にもなりました。
では一つの例として最近バドミントン界で注目されている奈良岡選手。
バドミントン界でドラフト制度が採用されたとして彼の行方を注目する人はどれくらいいるのでしょうか?
残念ながら彼やバドミントンが悪いのではなく、日本の場合プロ野球というスポーツは国内でトップクラスの注目度があるため清宮君のように社会的に注目されることはありません。
ただ、バドミントンという競技をしている人にとってはハラハラドキドキのドラフトを楽しむことができることでしょうけどね。
契約の問題
バドミントンの場合、プロ野球やJリーグのようなプロスポーツ選手としての契約はありません。
実業団によってはプロスポーツ選手に近い契約内容はありますが、多くの実業団の場合は「契約金」や「年俸」「勝利給」といったものはありません。
チームによっては一般企業や公務員に就職した方が条件が良いところもあるでしょう。
このように契約面でもプロ野球とは大きく変わってきますので一概にプロ野球のドラフト制度をそのまま採用というのも難しいのかもしれません。
選手視察の問題
先ほども述べたように実業団チームの人間が定期的に学生の動向をチェックするほど暇はありません。
またプロ野球のようにスカウト専門のような人材もチームにはいません。
ドラフトとなった場合、選手の動向も常に行っていかなければいけないこともあるでしょう。
S/Jリーグの選手と学生が一緒の体育館で試合をするのは年に2度ほどですし、それだけで選手をスカウトするかどうかの判断は非常に難しい問題でもありますから。
やはり実業団としても給料を払うわけですから適当に選手を獲得するわけには行きませんからね。
まとめ
まあ今回の場合は一つのアイディアとして好き勝手に述べているだけで、バドミントン界に絶対ドラフトが必要だとかそんなことはないかと思うのですが、S/Jリーグにエンタメ性を持たせるには面白い制度かなと思います。
正直なことを言えばS/Jリーグの優勝チームと最下位のチームでは練習時間や就業時間など大きな差があるのは事実です。
例えば、あるチームでは午前中だけの簡単な会社の仕事を終えると午後からは練習。
でもあるチームは9時から17時まで仕事を行い練習は18時から21時まで。しかも選手は部署によってバラバラなので全員が集まる日は毎日とは限らない、等々。
ですので将来有望な選手が厳しい練習環境のチームにいってしまうと日本バドミントン界全体の損失ということもあります。
リーグにもっとエンタメ性を増やすにはドラフトは面白いことではありますが、一方で有望選手の目を摘んでしまうという可能性も持ち合わせているということですね。